2014年11月20日

1595 相続税を金銭で払えない場合はどうするの?

相続税を金銭で納付できない相続人と他の相続人に留意点について 相談者と税理士のやりとりを紹介します


シーン4〜相続税を金銭で払えない場合
税理士「相続税の額は 母がゼロ、子が各405万円になります。」
母  「私は納付ゼロですか。なぜですか?」
税理士「配偶者の税額軽減の特例によりゼロになりました。」

■配偶者の税額軽減の特例とは
相続税の総額のうち配偶者の法定相続割合分(その金額が1.6億円未満の場合1.6億円)まで 配偶者の払うべき相続税が軽減される制度です。


子A 「相続税を払う余裕はありません」
税理士「相続税の金銭納付が困難な場合 分割納付(延納)、現物納付(物納)により相続税を払うこともできます。」

■延納により相続税を払うには、次の全ての要件を充たす必要があります
・相続税額が10万円超
・納期限までに金銭による一括納付が困難
・税務署に担保を提供する
・納期限までに延納申請書を提出して、税務署長の許可を受ける

※延納できる期間は 相続財産のうち不動産等の割合に応じて5年〜20年となります。延納にかかる相続税には利子税が課されます。

■延納でも相続税の金銭納付が困難である場合 申請期限までに物納申請書類を提出するなど一定要件を充たせば 物納により相続税を払うこともできます。

■連帯納付義務に注意
子B 「子Aが相続税を払えない場合 Aの相続税について税務署から私に督促がくることはありますか?」
税理士「相続人には、相続により受けた利益の範囲内で お互いの相続税について連帯納付義務があります。Aが払えない相続税について、他の相続人に税務署から納税通知や督促が行きます。」


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【関連する記事】
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2014年11月19日

1594 申告期限までに相続税を申告、納付しないとどうなるのか?

相続税の申告期限までに相続税の申告、納付しないとどうなるか という相談者と税理士のやりとりを紹介します

★シーン3〜申告期限までに申告しなかった場合
母  「申告期限まで相続税申告書を提出せず、相続税を納付しなかったら、どうなるのですか?」
税理士「税務署より期限後申告を求められます。税務署は申告期限から5年(脱税の場合7年)以内であれば、相続税を更正または決定することができます。」

母  「更正、決定とは何ですか?」
税理士「更正、決定とは税務署が調査をして、税額を決める手続です。更正は申告があった場合、決定は申告がなかった場合に適用されます。」

母  「どういうデメリットがあるのですか?」
税理士「相続税のほか、加算税、延滞税を追加納付するデメリットがあります。」

■加算税と延滞税
加算税は 申告期限まで申告しなかった場合に課されます。
延滞税は 納期限まで納付しなかった場合 納付が遅れた期間に応じて課されます。

■加算税の種類と加算税の率
@ 過少申告加算税=相続税額×10%(一定金額を超える場合15%)
過少申告加算税が生じるのは「修正申告書の提出時」「更正時」

A 無申告加算税=相続税×15%(一定金額を超える場合20%)
無申告加算税が生じるのは「期限後申告書の提出時」「決定時」

B 重加算税=相続税×35%(期限後申告、無申告の場合40%)
  重加算税が生じるのは 税額の基礎となる事実を仮装、隠蔽した場合

■延滞税の率
原則 納期限から2月以内は年7.3% 2月後は年14.6%となります。
なお 平成26年1月〜12月の延滞税率は 納期限から2月以内は年2.9% 2月後は年9.2%です。


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2014年11月18日

1593 相続税の申告期限は延長できないの?

相続税申告書の提出期限についての税理士と相談者のやりとりを紹介します


★シーン1〜申告書を提出して納付する
税理士「父の相続税の額は 母がゼロ、子が各405万円になります。」
母  「相続税の申告書は いつまでに税務署に提出するのですか?」
税理士「相続税の申告期限は 被相続人(父)の死亡日の翌日2/7から10ケ月以内(12/6まで)です」

子A 「相続税はいつまでに納付するのですか?」
税理士「相続税の納付期限は相続税の申告期限になります。」


■相続税申告書はどのような時に、だれが、いつまで、どこに提出するか
(どのような時に)遺産の総額が基礎控除額を超える時
(だれが)    相続人、遺贈により贈与を受ける者
(いつまで)   相続開始を知った日の翌日から10ケ月以内
(どこに)    被相続人の住所地の所轄税務署


■申告期限を相続人等の申請により延長できる場合
・災害その他やむ得ない理由が生じた場合
・認知、相続人の廃除の裁判確定により相続人の異動が生じた場合
・遺留分減殺請求により返還額が確定した場合
・遺贈に係る遺言書が発見された場合など


★シーン2〜遺産の分割ができない場合
子A 「遺産分割に納得できません。申告期限を延長できませんか?」
税理士「申告期限は延長できません。この場合 未分割のまま法定相続割合により計算した相続税申告書を申告期限までに提出します。」

税理士「その後 一定期間内に遺産分割が成立した場合 期限後申告書、修正申告書、更正の請求書を提出して、納税や還付を受けることになります。」


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2014年11月17日

1592 相続税はいくら?(2)

相続税はいくら?(2)相続税の対象となる財産を知る
相続税はいくらか?という相談者と税理士のやりとりを紹介します

税理士「相続財産の範囲をご覧下さい。どのような財産をお持ちですか?」
相続財産の範囲
相続財産.pdf

父  「土地、建物、預金、生命保険です」
税理士「土地、建物については登記簿謄本、預金については残高証明書、生命保険について保険証券等を準備してください。」

相続税はいくら?(3)相続税の額を知る
税理士「相続財産の評価額は2億円です。法定相続割合で相続した場合 相続税の額は計1217万円になります。」

■法定相続割合
法定相続割合は相続人の構成により異なる
相続割合.pdf
■相続税率(平成27年以後)
相続税率.pdf

■相続税早見表(平成27年以後。法定相続割合で取得した場合)
相続税早見.pdf

■相続税の計算方法
相続書籍図表.pdf

相続財産の評価額が2億円の場合
1. 課税遺産総額=1.46億円=2億円−基礎控除額5400万円
2. 課税遺産総額を法定相続割合に応じて計算した各人の相続税の総額
イ) 母 1490万円=1.46億円×1/2×30%−700万円
ロ) 子A 315万円=1.46億円×1/6×15%−50万円
ハ) 子B 315万円=1.46億円×1/6×15%−50万円
ニ) 子C 315万円=1.46億円×1/6×15%−50万円
ホ) 計 2435万円

3. 相続人の取得割合(今回は法定相続割合)に応じた各相続人の相続税
ヘ) 母  0=2435万円×1/2−配偶者軽減特例
ト) 子A 405万円=2435万円×1/6
チ) 子B 405万円=2435万円×1/6
リ) 子C 405万円=2435万円×1/6
ヌ) 計 1217万円


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2014年11月15日

1591 相続税はいくら?(1)

相続税はいくら?(1)基礎控除額を知る
相続税はいくらか?という相談者と税理士のやり取りを紹介します

相談者(父) 「平成27年以降の相続税が不安です。私の相続税はいくらでしょうか?」

税理士 「相続税を計算するには、法定相続人の数と相続財産を把握する必要があります。」
■法定相続人とは 民法で定められた相続人のことです

父  「法定相続人の数は母、子3名の計4名です。」

税理士「相続税には基礎控除額(非課税枠)があります。平成27年以降 法定相続人の数が4名の場合 基礎控除額は5400万円となります。つまり 相続財産の評価額が5400万円以下の場合 相続税が生じないことを意味します。」
■基礎控除額=3千万円+6百万円×法定相続人数

父  「孫を養子にしたら相続税対策になると聞いたが・・・。」
税理士「実子がいる場合、養子の数のうち1人まで、法定相続人数に算入して、基礎控除額除額を計算しますので、基礎控除額は6千万円になります。」

税理士「ただし、代襲相続人でない孫養子の場合 孫の払う相続税額は2割増になりますし、孫養子により 相続トラブルが生じて、分割協議できない場合 受けられない相続税の特例があるので、注意が必要です。」

■代襲相続人とは
子(相続人予定者)が先に亡くなっている場合 孫が相続人となり、孫も亡くなっている場合 ひ孫が相続人となります。この場合の 孫(または ひ孫)を代襲相続人と言います

父  「相続を放棄する相続人がいる場合 基礎控除額は減りますか?」
税理士「放棄した相続人がいても、基礎控除額は変わりません。」

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2014年11月14日

1590 院長夫人セミナーを終えて(院長夫人は裏方じゃない)

10月、11月と連続開催した院長夫人セミナーが終了しました

セミナーで伝えたかったのは
「財産を守るのは院長夫人の仕事」ということであり

財産を守る役割においては
院長夫人は裏方じゃない ということです



そのために 院長夫人には 社員総会メンバーとして 医療法人の意思決定に参画して 理事(または監事)として その意思に沿った業務運営をしてほしい と思っています


財産を守るためには
安定経営、節税、円滑な相続承継の3つが必要であり そのための基礎知識、毎月見てほしいデータをセミナーで取り上げました


院長、ベテラン職員、院長夫人自身 院長夫人=裏方 つまり 縁の下の力持ちという認識が強いと思いますが


医療機関の特性 
例えば
・医師を頂点とした組織=医師にモノ言う人はいない
・女性の多い職場=感情でモノゴトが動きやすい
・非営利=利益を嫌う

などから考えると 今後 経営環境が大きく変わることが予測される病医院経営の中で

院長夫人が
・社員総会メンバー&理事(または監事)として 院長(理事長)に意見する
・女性を理解して 組織をコントロールする
・金庫番として 利益の必要性を訴える


ことにより 安定経営を図りながら 節税、円滑な相続承継を考える必要があると考え それに必要な基礎知識をセミナーで取り上げました


【取り上げたテーマ】
・理事長夫人の仕事
・医療法人=家計と事業の分離
・安定経営とは 3の指標を安定させること
・医療法人の社員総会、理事、監事とは
・医療法人のメリット、デメリット
・退職金の節税効果
・MS法人の節税と税務調査
・平成19年3月以前設立の医療法人の違い
・平成19年3月以前設立の医療法人の相続税対策
・平成19年3月以前設立の医療法人の持分放棄
・相続時精算課税制度の使い方 など


また院長夫人経営塾のようなセミナーが出来ればと思っています


今後 医療法人会計基準の普及も進み 会計を安定経営に活かす必要性も高まると思うので 決算書の見方に重点を置いて行く予定です


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2014年11月10日

1589 関連会社等で薬局経営を行っている病医院には薬局売却をお勧めします

関連会社等で薬局経営を行っている病医院には薬局売却をお勧めします


薬価差益、技術料、体制加算等の引上げは マンパワーなしでは 実現しません
病医院が関連会社を使って 分業利益を グループ内に留保するケースは多いですが 第二薬局対策を取りながら 病医院等の関連会社を使っても シェアできるほどの薬局利益は 望めません

たとえ 今後 行政が チェーン店の門前薬局を減らす行政誘導をしても 余力のない門前薬局から チェーン店への売却が増えるだけと思います


共同購買を使っても 医薬品コストは下がりません
消費税増税や医療費削減の行政環境の中 卸会社も生き残りに必死で チェーン店による一括購入以外 医薬品卸会社との交渉力を上げる術はないと思います

コスト削減コンサルもいますが 主要卸に談合されたら 納品がストップされ 病医院経営への影響すらあります


薬剤師不足はさらに加速します
今後 さらに 薬剤師等の賃金が上昇し、紹介会社手数料が高騰することが予測されます


医療圏としては 十分採算が取れる地域でも 薬剤師が採用できないアクセスの悪い地域は 全国区のチェーン店以外 薬剤師を調達できません


関連会社等で薬局経営を行っている病医院は 早めに 信頼できる薬局チェーン店に売却して 財産を増やして 撤退することをお勧めします


薬剤師は 薬剤師の指揮命令しか受けません
薬局会社の経営者が 非薬剤師であるケースは多いですが 国家資格者は 年齢や肩書きを問わず 同じ資格者の指揮命令権にしか従いません
(薬剤師だけでなく、医師、看護師、弁護士、税理士・・・も同じです)


多角化の一環として薬局経営している会社も同じ状況にありますので 早めの売却をお勧めします


主な薬局売却方法
1.株の売却
2.事業の売却

売却相談はこちらより
http://www.ac.auone-net.jp/~ym102090/serviceindex1001.html


【編集後記】
地域包括ケアの中 1つの病医院が 地域の医療、介護、福祉全体の頂点となることは もうないと思います。病医院としては 地域の中で分業と連携(利益のシェアと患者サービス)を図る必要があり、投薬部分はチェーン店へ分業するのが 自分の財産を守ることになると考えます

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2014年11月09日

1588 医療法人を設立したら、理事長が若いうちに退職金を組み立てる

医療法人を設立したら、若いうちに退職金を組み立てる

医療法人メリット=節税であり 最も節税効果ガ高いのは 退職金です
退職金を支給するには 原資が必要で 主な原資は 医療法人の財産(≒純資産) と 生命保険(解約返戻金)です


退職金の原資を増やすには時間がかかります
純資産は 毎年 医療法人の税引後利益の金額だけ増えますので 退職金を可能な限り多く支給するには 長い期間かけて 税引後利益を留保していく必要があります

つまり 法人税を払って 税引後利益が増えなければ 医療法人の財産は増えないし 最も節税効果のある退職金も払えないのです


生命保険を退職金の原資にするとは
医療法人が生命保険を支払い 将来の理事長の死亡等による個人保証リスクのケアをしながら 退職金支給時に解約して 解約返戻金を退職金の部分原資にするというものです

生命保険は被保険者(理事長)が若いほど、健康なほど 安くなる傾向があるので 理事長が若いうちに加入して 退職金原資をつくることが有効です


退職金の組立て方法は
1)退職時(引退時)までに いくら欲しいか考える
2)その金額が支給可能か検証する
3)支給が不可能なら 退職金設定額を引き下げる・・・これを支給可能な金額が算出されるまで繰り返すだけです


ポイント
・理事長夫婦2人分の退職原資を同時に考えること
・今の年齢で 引退時に解約返戻率がピークになる生命保険(保険金=借入金+α)の保険に加入したら 保険料がいくらか確認すること
 

2)の支給可能か検証するプロセス
イ.引退時までに医療法人の純資産(税引後利益累計)がいくらになるか試算する
ロ.生命保険の解約返戻金を算出する
ハ.イとロの合計額は退職金希望設定額に不足しているか確認する


退職金希望設定額に不足している場合
保険引上で手当せず 純資産(利益)の引上が出来るか試算する
・役員報酬の引下(&役員借入金の返済、家計費のうち事業経費の経費化とセットで)
・売上増加
・固定費削減


利益引上でも退職金希望設定額に不足する場合 希望設定を引下げる


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2014年11月08日

1587 経営の不安定に早く気づくのが理事長夫人

経営の不安定に一番早く気づくのは理事長夫人

医療法人は 医師、歯科医師を頂点としたトップダウン組織なので 理事長夫人(院長夫人)が経営参加しなくても 医院運営はまわせます

むしろ 患者件数が順調で 職員の不満も表に出ず 資金繰りに問題がなければ 理事長夫人が 経営に口出ししない方が いいこともあります

しかし 患者件数の変動が大きかったり 職員の入退者が多かったり など 経営が不安定のケースは 理事長夫人の経営参加の重要性を感じます

経営は不安定と安定の繰り返しであり いい時も悪い時もあります。経営に参加している理事長夫人の多くは 悪くなる兆候に いち早く気づくことができるからです


理事長夫人の役割は 財産を守ることです

財産を守るための3要素は
1.安定経営
2.節税
3.円滑な相続承継


1.の安定経営とは 患者件数、職員定着率、キャッシュフローがバランスよく安定していることであり 安定経営の第一歩は 異常値にいち早く気づくことです

異常値にいち早く気づくために 理事長夫人に 毎月 次の項目を見てもらうことを お勧めしています
1)患者件数 →レセコンデータより
2)職員数 →労働時間、総額人件費と一緒に見ると さらに 異常値を早く発見できます
3)純資産金額、現金預金残高 →貸借対照表より


毎月推移でこれらの数値を見ていくと 異常値は すぐ発見できます

貸借対照表の目付けポイントは
・純資産=法人の財産=引退時の退職金原資 として見ること
・総資産は 利益との関係で見て 総資産と利益の関係は 投資額と回収額の関係であること
・現金預金は 実際の残高であり 増減(=キャッシュフロー)で見ること

総額人件費の目付けポイントは
賃金、賞与だけでなく 残業代、退職金制度がある場合 毎月見積額、福利厚生費、社会保険料、採用費、教育費を総額人件費として把握して

賃金が上がると どの項目が 比例的に増えるか
患者件数や職員定着率の変動が大きいと どの項目が増えるか 知っておくことです


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2014年11月07日

1586 医療経営に大きく影響すると感じる最近の行政動向

医療経営に大きく影響すると感じる最近の行政動向

<税務行政>
国税通則法改正
消費税法改正
相続税法改正
持分放棄による相続税免除制度

<厚生労働行政>
医療法人会計基準
診療報酬改定
労働時間改善助成金
パート労働法
広域医療法人の管轄が都道府県へ
病床機能選択

<金融行政>
個人保証ガイドライン


国税通則法改正
税務調査の手続が厳格化されるとともに 税務調査が強化する
特に MS法人の同族会社の行為計算否認や不適正取引はチェックが強化されるのでは

消費税法改正
消費税増税とともに 医療機関は損税(消費税を払っても 消費税申告計算上 控除できない部分)が 拡大して、医薬品取引量を縮小させ 医薬分業がさらに進むのでは

相続税法改正
相続税増税とともに 親子間贈与は軽減されるので 贈与コントロールが進むのでは 

持分放棄による相続税免除制度
医療法人の持分ありから 持分なしへ移行が促進される中 持分ありの医療法人が 持分という財産を放棄するか、放棄しないか 判断がせまられる

医療法人会計基準
会計基準が作られることで 財務情報の比較可能性が高まり 次の医療法改正では 監事機能が強化するのでは

診療報酬改定
地域包括ケアの強化により かかりつけ医など地域での 自院のポジショニングが問われる

労働時間改善助成金
労働環境の改善の上 社会保険の加入調査や労基署調査が増えていくのでは

パート労働法
非正規社員の多い医療機関にとって 総額人件費が増加したり 労働トラブルへの対応が増えたり するのでは

広域医療法人の管轄が厚労省から都道府県へ
都道府県の権限が拡大して 許認可に時間がかかるのでは

病床機能選択(2025年)
病院の機能が明確にされ 地域内完結医療を目指すことにより 生き残りのために 外来を強化する病院もあり 診療所と競合もあるのでは

個人保証ガイドライン
不動産担保や第三者保証など経営と関係の薄い保証による余剰担保が改善して 借入完済のつど 資金状況がいいときに金融機関に担保適正化を呼びかける方がいいのでは

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2014年11月01日

1584 親との同居が2次相続トラブルを生む。その対策法は

親との同居が2次相続トラブルを生む

親と同居する兄夫婦 と 同居しない弟夫婦では 2次相続でトラブルが生じやすいです

1次相続後の同居には
・家を同居する子に引き継ぐか
・親と同居している家族に贈与されていないか
・親と同居している家族に介護や世話の負担が過大にないか
 の問題が生じます


父の相続(1次相続)では 母が中心となって 相続トラブルの回避行動をとるため 1次相続においてトラブルは少ないですが

母の相続(2次相続)では 相続人以外の者(兄弟の嫁や子)の発言も増えてくるので トラブルは起きやすく 長期化しやすいです


2次相続においては 子供だけで 全員が納得する平等な分割は不可能


平等な分割に近づけるために必要なのは 法律家の意見です
2次相続は 自分で完結しようとせず 早い段階で 弁護士、税理士等の法律家の意見を聞くのが 有効です


平等な分割のために
・弁護士が 平等な分割の考え方を相続人に伝えて (法定相続割合、寄与分、特別受益)
・弁護士、税理士が 平等に財産調査して(1次相続後から2次相続までの生前贈与含む)
・税理士、不動産鑑定士が 平等に財産を評価して
・相続人と士業で 平等に分割を決める
 


寄与分とは 父の会社を承継して父の財産形成に貢献した長男に対して 貢献分を法定相続分に加算調整することです

特別受益とは生前贈与のことであり 法定相続割合計算をする際に 相続時の財産のみでなく 生前贈与された財産も加算調整することです


相続手続を行う相続人代表は報われない
相続手続きについて 相続人代表が対応した場合 負担や手間がかかるわりには 相続財産から報酬を抜くわけにはいかないので 相続人代表は割に合いません (相続財産から自分の報酬を抜くと 使い込んだと誤解を受けるため)

行政書士、司法書士等に 任せるのが無難だと思います



【編集後記】
2次相続トラブルに触れる人は結構多いですが 解決策の大半が 遺言、贈与、受取人指定生命保険、孫養子による生前分割であり、これらは火に油を注いでいるだけです

同居や介護するな という人もいますが 本末転倒です。話し合いが重要 という人もいますが それができないから こうなっているので 無意味なアドバイスです

2次相続トラブルには 複数の法律専門家の仕切り(交通整理)しかないと思います


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2014年10月31日

1584 遺言や生前贈与が相続税対策の失敗になるケース

遺言や生前贈与の相続税対策の失敗

遺言は 相続税申告期限内に分割(=遺産整理)を終わらせ 相続税の2大特例を使えるという意味で トラブル対策だけでなく 相続税対策としても効果があります

贈与は 相続財産を生前に 時間をかけて 相続税より安い贈与税で移転するという意味で 相続税対策として有効です

しかし 遺言や贈与などにより 相続税対策を講じても 相続発生時に 相続税を減らす2大特例を使えなければ 相続税対策は失敗です 

相続税の2大特例とは ・小規模宅地等の評価減 ・配偶者の税額軽減 であり 相続税申告期限から 3年以内に 分割協議ができなければ 2大特例は使えません

贈与、孫養子、受取人指定生命保険、法人活用、不動産評価引下げ策など 相続税を減らすために対策を講じても 相続発生時に 分割できなければ 相続税の2大特例が使えず 相続税は減りません

遺言でも 金額の大きな財産がもれていれば 分割しなければならないので そこで 分割できなければ 相続税の2大特例が使えず 相続税は減りません

1次相続で 全ての財産を網羅した遺言を書いても 1次相続で不満を持った相続人が 2次相続で借りを返し分割できなければ 2次相続において 特例(小規模宅地の評価減)は使えません


相続税を減らすには すべての財産を把握して すべての財産について 遺言、贈与などにより 分割を決る必要があります

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2014年10月30日

1583 不動産の評価引下げ策の費用対効果が得られるのは土地○○u以上

不動産の評価引下げ策の費用対効果が得られるのは土地○○u以上 

相続税対策として評価引下げ策を行う場合
保有している土地の総面積が 最低でも 330u以上(出来れば 500u以上)ないと 相続税の減少効果より 専門家報酬の方が高くつくことが多いです



評価引下策の例
・広大地適用
・測量
・利用単位の区分
・路線価の高い方に特例利用など


土地を330u以上 保有していても
相続税対策として 財産を全て把握した上で、相続税資金づくり、遺言、贈与、売却により生前分割をした後に 評価引下げ策を行うべきであり、優先的に評価引下は行わない方がいいです


相談する専門家選びも大きなポイントです
最近 相続まわりの民間資格者が多くて 不動産だけの対策が 相続全体のアンバランス(トラブル)となるケースが多いです

相続問題=不動産問題だけで 対策をとると トラブルに発展しやすいです 

相談する専門家とは
・長く付き合ってきた不動産会社(出来れば 大手より 地域密着型)
・税理士、不動産鑑定士、土地家屋調査士

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2014年10月29日

1582 相続税対策は利益を生む財産と生まない財産に分けて考える

主な財産を全て把握したら 財産を利益を生む財産と 利益を生まない財産に分ける

利益を生む財産とは 賃貸不動産、法人の株など
利益を生まない財産とは マイホーム、預金など

相続税対策のポイントは 利益を生む財産から移転すること

父から子に財産を移転すれば 子に利益も移転する
父から子へ財産を移転する方法は 売却か贈与

父から法人へ財産を移転すれば 法人に利益が移転して 子は役員給与を通して 利益を移転する
父から法人へ財産を移転する方法は 売却か現物出資
※父から法人に贈与した場合 法人課税、個人譲渡所得税、他株主に贈与税のトリプル課税あり


相続時精算課税制度を使って 利益の高い財産(=投資利回りの高い財産)を 子、孫へ贈与することが 平成27年以後の相続税対策のポイント

どの財産に いつ適用するか(=いつまで暦年贈与により贈与して いつ切り替えるか)が 選択のポイント
※ 賃貸不動産、未上場株が対象候補
※ 投資利回り=投資回収率=法人の株式の場合 法人の総資産利益率


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2014年10月28日

1581 不動産の相続税対策は優先順位が重要

不動産の相続税対策は 優先順位が重要

不動産を相続する際の相続税が不安という人は多いですが 不動産評価引下げ策から 着手するケースがほとんどです

ただ 評価引下げ策は 一定面積がないと 税効果より 専門家報酬の方が高くつきますし 誰に相談するかによって 相続全体のアンバランスを生じさせるので 優先順位は低いと考えています


生前から行う不動産の相続税対策の順序
1)相続税資金づくり
2)遺言、贈与、売却による生前分割
3)評価引下策 



まずは 1)相続税資金づくりから
不動産の相続が問題になる理由は 不動産そのものでは 相続税を払う原資にならないからです(相続税は原則 金銭納付で 物納が認められるのは 金銭納付困難な場合のみ)

まずは いくら相続税資金が必要なのか
不動産以外の全ての財産を確認して 相続税を試算した上で 預金、生前贈与、生命保険、法人を活用して
納税資金を確保することが 不動産の相続税対策のスタートです 


2)の贈与、売却により不動産を生前分割する方法として
・個人間で(例えば 父→子へ)行うケース
・法人を活用するケース があります



法人の活用が有効なケース
・保有する土地の総面積が330u以上など 相続税特例対象面積を超過する不動産を保有するケース
・不動産を事業として拡大したいケース


【法人を活用するケースの例】
1.子が 管理会社や転貸会社を設立して 不動産収入の6%〜9%ほどを 父から法人へ移転して
子は管理会社から役員報酬をもらい 不動産利益を子に一部移転する


財産は 父のままなのですが 借地権割合70%の土地なら 貸家建付地の21%評価減は使え 小規模宅地特例も使えるので 一定の税効果はあります

1の方法のデメリットは 中リターンの割に 高リスクな点です
・父の財産のままなので 別の相続税対策が必要
・不動産収入の6%〜9%では税効果が低い
・管理会社に 節税目的以外の経営目的がないと 同族会社の行為計算の適用により 否認される
・管理会社に 管理実態がないと否認される



2.父が 不動産を現物出資して会社を設立して 父から子へ株を贈与しながら  子は会社から役員報酬をもらい 不動産利益と財産を子に移転する

2の方法のデメリットは
・現物出資時に 相続税評価額より高い時価で 父に譲渡所得税がかかる可能性があることです
→ 高利回りの不動産を譲渡するのが ベターですが 譲渡時のコストと相続税の有利不利判定が必要です

譲渡時のコスト=譲渡所得税+譲渡住民税+法人側の不動産取得税+法人設立費用+不動産鑑定料+仲介会社手数料等


法人を活用する場合の注意点
子や孫に 財産を集中させて 自分の財産は減る一方では 節税ではありません

法人を活用する場合 父(自分)も 役員報酬をもらい 法人は利益を出して 法人税を払いながら 法人に退職金原資を留保して 最も税率の低い退職金を 父に支給しなければ 節税にはなっていません

父が法人から収入した財産(預金)は 相続財産になりますが 不動産と違い 相続税を払う原資になるので
父の財産づくりも バランスよく行うのがポイントです


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2014年10月27日

1580 相続税の税務調査でよく聞かれる質問事項

相続税の税務調査の際に調査官がよく質問する事項

本人も どこに、どの財産が いくらあるか 把握していないのに ましてや 家族は 全く知らないため 相続税申告は 財産もれが多いです

よって 税務調査に際して 調査官が質問する事項も 財産もれに関することが多いです


質問事項の例

死亡原因と入院期間の長さについて

例えば 医師(夫)の入院期間が長いほど 妻は 小口多頻度で 預金を引き出して 財産を移転しやすいため その 妻が引き出した預金は どこに行ったか、相続財産から もれていないか確認します

家族の生活費や入院費、扶養費に充てていれば 問題ないのですが 妻や子の預金口座に振り込まれたままの場合 夫の相続財産に該当します


趣味、趣味仲間、人間関係について
高級車、ヨット、ゴルフ、書画骨董、美術品、株投資、別荘・・・の趣味に合った財産が 相続財産から もれていないか確認します

車、書画骨董、美術品、株が趣味の場合 
同じ車のメーカーの色違い、同じ美術品の作者の別作品、持っている株と同じ業種の銘柄を 揃える傾向があるため 1つが相続財産に計上されていても 類似の財産が もれているケースが多いです

住所録や香典名簿から 趣味仲間、証券会社を探します
証券会社の人脈からは 金融財産もれを確認します。家族名義の金融財産も含めて 確認します
人間関係の中で 愛人がいる場合 贈与課税がもれていないか 愛人側の預金など 反面調査も行います


貸金庫の有無について
家族に 知らせていない貸金庫、貸倉庫の利用が多く 貸金庫等の中に 預金、株券、印鑑、書画骨董等が保管されていることが多いため 相続財産からもれていないか確認します


印鑑について
車、不動産の購入契約書や預金通帳の名義所有者が妻や子であっても 契約書に押印された印鑑が夫のものであると 名義財産として 夫の財産(相続財産)と考えるため 確認します  


ゆうちょ銀行、農協の預貯金の有無(家族名義含む)について
相続人が ゆうちょ銀行と農協は 税務署に見つからないと勘違いしており 財産隠しをしていることが多いため 確認します(預金調査をすれば必ずわかりますが)


遺言書の有無
遺言書に記載された財産が どこに移ったか 相続財産を形成しているか 確認します


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2014年10月26日

1579 税務調査を考えていない相続税対策は無意味

税務調査を考えていない相続税対策は無意味

相続コンサルタントが流行っているようです
不動産や生命保険を 生業としている 営業マンがほとんどであり 営業ツールとして 節税が使われているようです

相続コンサルタントの主導する相続税対策は 不動産評価引下げ策、税目や課税時期を分散した生命保険が多いですが 相続税申告の実務のポイントは 不動産評価や生命保険ではありません

不動産評価や生命保険には 税理士の間で 取り扱いに違いが出るほど 難しい問題はありません
 

相続税申告の実務のポイントは すべての財産を把握すること 
相続税申告の実務ポイントは 税理士、相続人双方に情報が少ないなかで 財産もれ、名義財産を把握することであり たとえ 一生懸命 不動産評価や生命保険で 相続税を減らそうと手間と費用をかけても

税務調査を誘引するだけで 逆に 財産もれや名義財産のチェックが甘ければ 対策によって減らした相続税以上に 延滞税や加算税など ムダな税金を払うことになります

個別の財産をコントロールして相続税を減らすより 全ての相続財産を もれなく把握する方が重要です  
※名義財産とは 名義は家族だが 本来 亡くなった被相続人の所有の財産(子名義の預金など)


税務調査で 財産もれが発覚した場合
修正申告(全ての相続人の納付税額が増えることに注意) だけでなく 遺産分割協議の追加(財産もれの金額によっては 遺産分割やり直しもある)の手間もかかります


もれやすい相続財産(家族が隠蔽したケース、家族が知らなかったケース)
・国外の不動産
・高級時計、車、美術品、ゴルフ会員権
・贈与実態のない財産
・被相続人が印鑑を管理していた預金通帳
・貸金庫
・引越や転勤先の預金


家族が財産を隠蔽しやすいタイミング
・被相続人の死亡直前、直後
・被相続人の入院期間中

つまり 相続税対策は 個別の財産に手を付ける前に すべての相続財産をもれなく把握して 家族が隠蔽したり 知らないことがないように 家族に説明して、チェックすることが重要です

遺言などの相続トラブル対策を講じる時も 個別の財産だけを対象にするのではなく すべての財産もれなく把握して 遺言対象とすることを お勧めします   


財産もれの把握方法
・貸金庫手数料が 通帳引落されていないか
・預金通帳の摘要欄、日記帳に 財産の動きが記録されていないか
・趣味(ゴルフ、骨董収集)から 財産もれがないか
・住所録、香典名簿から 趣味仲間、金融機関、証券会社はいないか
・過去の保険解約金、不動産売却対価、退職金を収入した時に 何に使ったのか
・保有している株、公社債と 同種類の別銘柄を持っていないか


【編集後記】
相続まわりの民間資格は 一般の人の誤解を生んでいるように思います。相続問題は トラブル、税金、手続に分類されていますが 民間資格者では 職務として いずれも対応できません。基礎情報である戸籍謄本すら収集できないので 相続問題を民間資格者に依頼するのは 相談者の相続負担が増えるだけです

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2014年10月25日

1578 相続税を減らすより相続税資金をつくる方が重要な相続税対策

相続税を減らすより相続税資金をつくる方が重要な相続税対策

相続税は 相続発生時の相続税法が適用されます。税法が毎年変わることを考えると 今の相続税対策が 相続税を減らすかどうかは わかりません

それより 相続税資金はいくら必要で どうやって確保するか考えた方が 優先順位が高いです 

相続税は 原則 現金納付であり 相続税資金をつくることも重要な相続税対策です
相続税資金とは 相続する財産のうち 相続税にまわせる現金のことです

例えば 平成27年以後に自分(夫)の相続で 妻1人、子2人の場合
相続財産1億円の場合 相続税 約315万円
相続財産2億円の場合 相続税 約1350万円 
相続財産3億円の場合 相続税 約2860万円 です

相続税にまわせる現金には 相続税の非課税枠があるもの と 相続税対象となるものがあるので 相続税の非課税枠のあるものから 手当てしておくべきです


相続税の非課税枠があるものとは 生命保険金と退職金です
相続税の非課税枠とは 500万円×法定相続人数であり 生命保険金、退職金 それぞれに 非課税枠があります


非課税枠を超える生命保険金については 税率の低い税目が生じる生命保険契約にすることも有効です
生命保険金は契約により 相続税のほか 一時所得税、雑所得税など税目が変わり 税額も異なります

生命保険を受け取る年の税率を予測して 税率の低い税目に集めたり、生命保険の受取年を分散したり 契約者・被保険者・受取人を変えて 税率の低い税目が生じる生命保険契約をすることがポイントです


法人を活用できるなら 退職金は複数支給できるように組み立てるのがポイントです
退職金が支給できるタイミングは 引退する時以外にも 役割が変更して
・役員報酬が50%以上減った場合
・取締役から監査役等になった場合
・非常勤役員が死亡した場合 などが考えられます

退職金の原資は 法人の純資産(留保利益)と法人契約保険金(社外留保)です
退職金額=月役員給与×功績倍率(代表取締役3倍など)×役員在位年数×功労加算金(1.3など)


相続税資金がない場合
延納(年1の分割払い)、物納(相続財産の現物払い=相続税評価額で納税)のほか
・延納利子税率より 借入金利が低い場合 相続税資金を 金融機関から借入する
・相続税評価額より 売却価格が高い場合 相続税資金を 相続財産の売却により調達する
ことも選択肢として考えられます


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2014年10月24日

1577 自分の財産を誰に相続させるか

自分の財産を誰に相続させるか(基本的な考え方)

財産を生前贈与、相続を通じて 家族に承継するに際して 組み立てる承継計画の基本ラインは
節税を重視するなら
収益を生む財産は 子供、孫へ
収益を生まない生活に必要な財産は 配偶者へ

収益を生む財産とは 不動産、金融財産、自社株


つまり 不動産の承継計画の基本ラインは
居住不動産は 配偶者へ
収益不動産は 子息へ ということになります


生活に必要な財産、居住不動産、を配偶者へ承継する方法
・居住不動産を 配偶者贈与特例を使って 生前贈与する
・居住不動産を 小規模宅地評価減を使って 相続する
・生活に必要な財産を 配偶者相続特例を使って 相続する


居住不動産の配偶者贈与特例とは
・贈与税の非課税枠は 2110万円
・婚姻期間20年以上の配偶者へ居住用不動産(購入資金)を贈与した場合 贈与を受けた人が申告納付

居住不動産の小規模宅地評価減とは
・配偶者等が居住不動産を相続した場合 土地330uまで 相続税評価額は原則評価の20%

配偶者相続特例とは
・配偶者の相続税非課税枠は 相続税評価額×配偶者の法定相続割合分(または1.6億円のうち小さい額)


収益を生む財産を 子息、孫へ承継する方法(平成27年)
基本的な考え方は 利回り(=投資回収率、総資産対利益率)が高い財産は 相続時精算課税制度の検討価値あり

相続時精算課税制度とは
・20歳以上の直系の子、孫が 60歳以上の贈与者から 贈与を受けた場合 選択適用できる
・親ごと 生涯に1度しか使えず 一度使うと 暦年贈与制度は適用できない
・非課税枠2500万円、贈与税率20% 
・相続発生時に 贈与財産を相続財産として再計算して 贈与税を相続税から控除できる

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2014年10月23日

1576 孫に財産を移転して相続税を減らす

孫に財産を移転して相続税を減らす

孫が自分で財産管理できる年齢になったら 孫に財産を移転することも 相続税対策として有効

孫に財産を移転する前に 自身の概算の相続税率の把握は必要。相続税率=相続税÷相続財産

例えば 平成27年以後に自分(夫)の相続で 妻1人、子2人の場合
相続財産1億円の場合 相続税÷相続財産=約3%
相続財産2億円の場合 相続税÷相続財産=約6%
相続財産3億円の場合 相続税÷相続財産=約9%

つまり 相続財産が2億円の場合 孫に贈与する際には 6%以下の贈与税率で財産移転ができるようにするのがポイント

※ ここで言う相続税率、贈与税率は 表面税率のことではなく 財産と税金の比率

孫に財産を移転するメリット
・相続(税)を一世代とばせる
・財産を分けたい世帯に集中できる(例えば 長男家族に多く分けたい場合など)

孫に財産を移転する方法
・遺贈(遺言により相続発生時に贈与する)
・生前贈与

遺贈より生前贈与の方が、孫に余計な税負担は少ない
遺贈のデメリット、生前贈与のメリット

・遺贈は 相続税がかかり 2割加算される
・生前贈与は 贈与税がかかるが コントロールしやすい

ただし 相続税率が低い場合 生前贈与による贈与税より 遺贈による相続税の方が 安く済むケースもある

孫を養子にする場合
・孫養子が代襲相続人でない場合 孫が払う相続税は2割増(遺贈と同じ)
・孫養子の人数は 実子がいる場合 養子1人まで 基礎控除等に加算計算される

生前贈与のあらまし(平成27年)
・孫は贈与税を払う
・贈与税の計算方法は 暦年贈与制度と相続時精算課税制度の2つ

孫に財産を相続、贈与する際の注意点
孫が納税原資を持たない場合 納税資金を合わせて相続、贈与する必要あり
孫が納税原資を持たない場合 他の相続人にも 取得財産の範囲で 連帯納付責任あり

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